
2017年公開のアメリカ映画『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』
「サンダンス映画祭 観客賞」をノミネート、「シッチェス カタロニア国際映画祭 撮影賞 カルネー・ホベン賞」を受賞するなど、世界的にも注目されました。
今回はそんな『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』のストーリーとあらすじをより分かりやすく、詳しく説明していきます。
『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』のストーリー・あらすじ〈起〉
アメリカ・テキサスの郊外の小さな田舎町に佇む小さな一軒家には若い夫婦が暮らしていた。
二人はとても夫婦仲が良く、これからの明るい未来の生活に希望を抱いていた。
しかし、ある日突然夫のCが不慮の事故により命を落としてしまう。自宅前で対向車と正面衝突の事故を起こしてしまったのだ。
妻のMは愛していた突然の夫の死に、涙を流すことができないくらいのショックを受けていた。
病院で夫の遺体を確認した妻は、静かにシーツを夫にかける。
妻が病院から去ったあと、被されたシーツが動き始めるー…。
それは、死んだはずのCの魂だった。
Cはこの世に残された妻のMを心配して、妻がいる自宅へと向かうのだった。
夫を亡くして元気を失ったMは酷く疲れた様子で活気がない。
そんな妻の姿も、シーツの幽霊となったCはただただじっと見守ることしかできないのだ。
Mの姿を自宅でただじっと見守る日々。
次第に元気になってきた妻はやっとのことで日々の生活を取り戻し、仕事へと復帰する。
『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』のストーリー・あらすじ〈承〉
そして時は進み、季節は冬に。
いまだに幽霊の姿で妻を見守り続けるCは、ある日隣の家に自分と同じシーツを被った女の幽霊がいることを知る。
女幽霊はCに手を振る。Cが手を振り返すと、彼女からの意思が伝わってきた。彼女はだれかを待ち続けているが誰を待っているのかがわからなくなってしまったと言う。幽霊同士だと身振りでお互いの意思がわかるのだった。
今はこうして妻の生活を見守り続けている。しかし、いつか自分も隣人のように本来の目的を忘れてしまうのもしれない…と不安になりながらソファに腰を掛けるのだった。
そんな時、妻のMが帰宅する。だが今日は一人ではない。見知らぬ男を連れていたのだ。そしてその場で見知らぬ男とキスを交わす妻。その様子を目の当たりにしたCは、本棚から自分の伝えたいメッセージが載っている本をMの前に落とす。
Mは薄々夫のCが幽霊として家に住み着いているのではないかと気づき始める。そして、夫との思い出が詰まる家を出ることを決意したのだ。
Mはいつか戻って来たときに当時の自分のことを思い出せるようにと、メモにメッセージを残し、家の柱のくぼみに埋めてペンキで塗り隠す。
家を後にするMの姿をじっと見つめるC。
二人の家には母と二人の子供たちが移民してきたが、Cはその家から消えることはなかった。
『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』のストーリー・あらすじ〈転〉
家に住み始めた幼い子供は感受性が強いため幽霊であるCの姿を見ることができた。
不審に感じている様子を見せる子供を怯えさせようと、Cは家中の物を投げ散らかし、ポルターガイスト現象を起こす。
Cは、妻との思い出を他人に壊されたくなかったのだ。
続くポルターガイスト現象に怯える一家はやがて家から去ることに。
CはMが残したメモを掘り返そうと必死になっていた。
Cが住み着く家には何人かの住人が越してきたが、相次ぐ怪奇現象により住人が寄り付かなくなり二人の思い出の家は荒れ果ててしまう。それでも必死にMが残したメモを取り出そうとするC。そんなとき、ブルドーザーが家を粉々にした。
隣家も同時に破壊され、その場に取り残されたCと隣人の女幽霊は茫然と立ち尽くす。
隣人は待ち続けた人が来ないことを悟り、その場から跡形もなく消える。しかし、Cが消えることはなかった。
『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』のストーリー・あらすじ〈結〉
時は進み、その場所にはビルが建設された。その後もCはその場に居続け、離れることができなかった。なぜ留まり続けるのかもわからない。
ある夜、Cはビルの屋上から身を投げてみることに。そして気が付くと、彼は草原の中に立っていた。そこには、木の杭を打ち付け土地を確保している男がいる。そこへ男の家族と見られる一同が乗った馬車が到着した。どうやら、かなり時間を遡った時代にいるようだ。
その家族はその土地に家を建てようとしていたのである。一家にいた幼い娘がメモにメッセージを記し石の下に隠す。しかし、戦火によって一家は殺されてしまった。
そして気が付くと家の中に移動していた。そこには妻と自分がいる。幽霊のCはかつての自分たちの様子を見つめている。そして、あの夜のことをようやく思い出したのだ。そう、家から物音がした日のことを。
そして、ようやくMが残したメッセージを手にすることができたC。念願のメッセージを開いたCはその場から消え去る。そこには壁に輝くプリズムの光だけが残っていた。